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| 宮竹
美絵子氏 |
宮竹:学生の時に交通事故に遭って脊髄を損傷して以来、車いす生活を送っています。 1年半ほど入院治療、リハビリをした後、もともと建物に興味があったので建築設計事務所に入社しました。公共の建築物を設計することが多かったのですが、その図面を見ていると、広ければいい、機能的に揃っていればいいというような「とりあえずのユニバーサルデザイン」であることに気づき、非常に疑問を感じました。
「どうにかしたい」「もっと自分自身に知識をつけなければ」と思っていたとき、ネットでFJCの資格を知りました。3級から勉強を始めて1級まで取りました。
今は、個人で事業を行っています。主に、県や社会福祉協議会、市などから依頼されたり、山口県の福祉のまちづくり条例設計マニュアル改訂委員会の委員や、個人住宅の初期のラフプランからトータル的なアドバイスなどをやっています。
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| 武藤 俊之氏 |
武藤:20年ほど前から、高齢者や障害者の方の住宅に取組んでおりまして、現段階で2000件近く関わってきました。
今までの経験を活かして啓蒙活動してもらえないだろうかと、ある先生に言われたんですが、私は大工を10年以上やって現場から入った人間なので、話すことはあまり得意ではないんですよ。でも、私の経験と知識が全国の工務店や困っている方々のヒントになれば……と思い、「武藤塾」というものを始めました。
今年で5年目になるんですが、いろいろな知識を朝から晩までみっちり学ぶ4ヶ月コースで、今まで住宅改修させていただいた方の現場見学などもやっております。
高室:宮竹さんの場合はコンサルテーション、武藤さんの場合は施工という立場なわけですが、ご自分の経験を仕事に活かすことについて、いろいろなハードルや戸惑いなどはありませんでしたか?
宮竹:一番困ったのは、『仕事』として考えていただけないことでした。 「意見を聞かせてほしい」と言われたので、私なりに調べて図面を書いたり、具体的な資料を提出したりしたんですが、「いやぁ、助かったよ」とボランティア的に取られて仕事に繋がらないケースが多かったんです。相手にとっては、障害のある人にモニター感覚で聞いているだけなんですよね。FJCの位置付けがはっきりしていないこともあるのかもしれませんが……。
高室:障害のある方に意見を聞くと、ご自分の感想としては答えてもらえますが、具体的な提案ができる宮竹さんのような方は、なかなか多くないんですけどね。
それを、どのような切り口で仕事に変えていかれたんですか?
宮竹:事業者として登録して、「これは仕事として受けます」とはっきり先に伝えました。そこで、初めて「タダで聞いていいことではないよね」と気づいていただけました。
高室:先程、宮竹さんからFJCの位置付けが明確でないこともあるのでは? との指摘がありましたが、武藤さんはFJCとしてプラスの付加価値を付けて仕事をされているんですよね。施主さんがプラスαに抵抗を受けていると感じることはありませんか?
武藤:私の場合は「形」になる仕事なので、そういったことを感じたことは、今までありませんね。 施主さんから、こういう生活をしたいがどういう施工方法がありますか? と尋ねられたときには、私の経験から設計外でプラスαの説明をしているんです。そうすると、非常に納得していただけます。
高室:宮竹さんはピア・カウンセリング(※1)の活動もされていますが、代弁者的な形で仕事をされることというのはありますか?
宮竹:同じ脊髄損傷の女性の住宅改修の相談に入った時、最初に設計者が持ってきた図面を見て「これは使えないな」と思ったんです。
それで、施主さんとお会いしていろいろなお話を聞きましたが、やはり、トイレや入浴方法などはプライバシーに関わることなので、なかなか話せないんですよね。
言いたくない気持ちもよくわかるので、設計者には席を外してもらい、女性同士で話をしてプランを練り、必要なことを設計者に伝えるということはしていますね。
武藤:私も、女性の方の場合、細部に話が及ぶと引かれてしまって、困ることがあります。そういう場合、聞き出すのではなくてですね、今までのいろいろな事例写真をお見せしながら、話をするようにしています。
高室:FJCの業務の中には、相談援助技術も含まれていますよね。設計者などにはできない、FJCならではの技術であると思います。こういう面でFJCの知識を活かしてもらいたいですね。
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