福祉住環境コーディネーター協会とは、東京商工会議所、NPO法人「生活・福祉環境づくり21」などの関連団体の支援により、
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格者が、真に役立つ人材として認知され、活躍できる状況を目指し、
相互連携、個々のスキルアップ、情報の収集・発信等を行うため、平成14年5月に設立された団体です。
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福祉住環境
コーディネーター協会
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 −特集− 西日本国際福祉機器展 PPC2005 <1>
 福祉住環境に関するお役立ち情報コーナーです。

1999年からスタートした『PPC 西日本国際福祉機器展』。
今年は「ねんりんピックふくおか2005」との同時開催で、11月13〜15日の3日間、福岡・小倉の西日本総合展示場で行われました。
九州地方では最大級の規模を誇る同展。年を追うごとに出展者数・来場者数とも着実な伸びを見せ、7回目となる今年は約120社・団体、42,358人が来場しました。
協会では、一昨年から引き続いて講演会とタウンミーティングを実施。高室成幸氏(協会理事)の基調講演に続いて、「地域で期待されるFJC活動を考える」というテーマで、3人の専門家が意見を述べました。

 
<1>基調講演
  「介護保険制度改革〜自立支援と介護予防の視点〜」
  「認知症の方のための住宅改修〜考え方と事例研究〜」
<2>タウンミーティング
  「地域で期待されるFJC活動を考える」
基調講演
 
「介護保険制度改革〜自立支援と介護予防の視点〜」
高室 成幸氏
高室 成幸氏

来年の4月からの介護保険は、「介護予防」がテーマとなるため、効果のあるサービスが提供されているかどうか……評価の時代に入ります。その点で、自立支援と介護予防の視点が大変重要になってくるというわけです。

具体的に、介護予防マネジメントをみてみると「点」と「面」に分けることができます。
「点」=「個人」には、『健康寿命』、『介護予防意識』、『福祉住環境整備』が必要になります。つまり、健康寿命を意識しながら、筋力トレーニングなどを行ったり、住環境整備を行ったり――自らの介護予防意識が大切になるといえます。

次に「面」。これは「地域」が介護予防のムードつくりを行うということです。そのために、『地域の健康意識づくり』、『地域の介護予防事業』、「地域参加の整備と仕組みづくり』、『見守りネットワークの仕組みづくり』が必要になります。
いくら、介護予防事業を行おうと思っても、参加者が来てくれないことには実施できませんよね。

そこで、私はFJCの力が必要になってくると思うんです。
閉じこもり等々ありますので、人が“集い”やすいようなスペースをつくること、お互い声かけできるようなコミュニティをつくること、こういった環境づくりに取組んでいかない限り、介護予防は推進できないと思います。

つい、私たちは“住まい”というハード面ばかりみてしまいがちですが、大事なことは“暮らし”だと思うんです。
例えば、マンションは同じ器ですが、玄関を開けたときの飾り付けやリビングの使い方など、個々違いますよね。つまり、暮らし”は個性なんです。
暮らしの中には、必ず役割があります。役割は“生きがい”に繋がっていきます。その生きがいを支援するために、住環境を整備するんです。

また、2001年にWHO(世界保健機構)が障害分類の理解を新しくした『ICF(国際機能分類)』を採択しました。
従来までのICIDHは、障害を「機能形態障害」、「能力障害」、「社会的不利」と分けていましたが、これからは「心身機能・構造の障害」、「活動制限」、「参加制約」と、マイナス面よりもプラス面を重視する考え方になりました。
要するに、人間は“暮らし”のなかに生きているわけですから、生活の主体者である本人のできることを見ようと。環境面の影響を含めて生活機能を見ようとするようになったということです。

制度はさまざま変わりますけど、大切なのは個々の人生のステージですよね。
そういった意味で、自立支援と介護予防の観点から住環境整備に関わるとき、「どういう暮らしをしてきたのか」ということを、まずぜひ聞いてほしい! 一番分かりやすいニーズの汲み取り方だと思います。
それから、今後どういう暮らしをイメージしているのかを聞いていただきたいと思います。イメージできない場合は、一緒に語り合いましょうよ。
高齢期になっても、健康で生きがいのある暮らしを前向きにつくっていく……こういった視点で住環境整備に取組むことが今後必要であり、FJCのみなさんにがんばっていただきたいと思います。

 
「認知症の方のための住宅改修〜考え方と事例研究〜」
武藤 俊之氏
武藤 俊之氏

認知症は、以前まで痴呆といわれていましたが、何もできなくなる状態ではありません。
「何らかの脳の障害によって日常生活に支障をきたし、知的な機能が低下した状態」と定義されています。

実は、私の母も認知症です。
一番最初に言われたのは「私の通帳どこやった?」「大切にしていた昆布を盗ったろ?」
当初、認知症の知識がまったくなかったので、非常に戸惑い悩みました。現在は、認知症に関してさまざまな研究がされてきて、認知症を理解するための原則も発表されていますよね。こういう原則がわかってから、私も母への対応の仕方を変えることができました。まず、認知症に関して正しい理解をすることが必要だと思います。

それでは、東京のとあるグループホームの事例をご紹介しましょう。
3階建てで1階が支援センター、2〜3階がユニットになっています。
驚いたのは、廊下です。手すりがないんですよ!ここのグループホームは歩行に問題のない入所者が多いので、手すりをつける必要がないから――と職員の方は説明してくれました。

これは、私の失敗例なんですが、認知症の方の家でトイレの出入り口前に縦手すりを付けたことがあるんです。手すりで体を支えながら、トイレのドアを開けた方がいいだろうという提案で。
ところが、縦手すりをドアノブと間違えてしまって、開けようと奮闘されているうちに……。
このとき、比較的元気な方の場合にはむやみに手すりをつける必要はない、と学びました。もちろん、上下運動の必要な場所や、浴室などの安定感の悪い場所には、しっかりと取り付けなくてはなりませんよ。

私がこのグループホームで一番感心したのは、「どこからでも何気ない見守りができるようにしている」という工夫なんです。

例えば、個室のドアは一部分がすりガラスになっているんですが、2cmくらい普通のガラス面がとってあるんですよ。ドアをガラッと開けなくても、その2cmの部分から部屋の中が少し見えるようになっているんです。
それから、ダイニングとキッチンのフロア。そこには、格子がとりつけてあります。透明のままの部分と、スクリーンを貼った部分をつくり、玄関が見えるように、誰かが出て行ってもすぐわかるように工夫されていました。

これは、他のグループホームの事例です。
1階にトイレが1つしかないので、使用中だと他の方は待たなくてはなりません。うろうろしているうちに失禁してしまう方がいたため、誰かがトイレに入ったときに「故障中。どうぞ2階のトイレをお使いください」という張り紙をしてみたところ、ちゃんと2階へ行ってもらうことができたんだそうです。

また、よく徘徊される人に対しては「ちょっと待ってください!○○さん」と玄関前に張っておいたら、待ってくれたり、引き返してきてくれたりするという話も聞きました。
文字で報せるというのも、1つの有効な方法ですよね。これらは、家庭内でもできる工夫だと思います。

認知症の方のための住宅改修で一番大切なことは「やさしく見守ること」なのではないでしょうか。
認知症の症状・状況、その方の生活パターンを確認することによって、どのように見守り、どのように住宅改修すればいいかが見えてくると思います。

家庭内でもできる工夫
【1】 手すりは最小限の場所に
【2】 階段の踏み板には目印をつける
【3】 トイレ・洗面場所の表示は、文字で大きく、わかりやすく
【4】 室内の照明を調光スイッチに変え、昼夜の感覚をつくる
【5】 楽しい時間・好きな空間を創り出す
【6】 本人が落ち着くまで徘徊できるような安全な環境を整備する
 

高室 成幸氏 プロフィール
東京・ケアタウン総合研究所所長
『新しい福祉人材育成、地域支援システムの構築』を中心に活動中。当協会理事・研究企画委員長

武藤 俊之氏 プロフィール
福岡・(有)武藤技研代表
1999年から工務店向け高齢者・障害者の住宅専門養成講座『武藤塾』を主宰
 
≪西日本国際福祉機器展 PPC2005 <2> :タウンミーティング≫
資料提供:ふくしチャンネル

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