福祉住環境コーディネーター協会とは、東京商工会議所、NPO法人「生活・福祉環境づくり21」などの関連団体の支援により、
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格者が、真に役立つ人材として認知され、活躍できる状況を目指し、
相互連携、個々のスキルアップ、情報の収集・発信等を行うため、平成14年5月に設立された団体です。
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福祉住環境
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 −特集− 住環境と福祉用具のマッチング−車いす編−
 福祉住環境に関するお役立ち情報コーナーです。

住環境整備と福祉用具。この2つをマッチングすることの重要性を知っていますか?
FJCの視点から福祉用具に関するアドバイスができれば、より利用者の立場に立った相乗的な「自立支援」が行えます。
そこで、今回はFJC協会とSFK21が共同で実施した「福祉用具アンケート調査」で、関心のある福祉用具1位であった『車いす』にスポットをあて、マッチングについて検証します。

誰のための、何のための車いす?

「家が狭いから、車いすは折りたためないと」
「ベッドにずっと寝ているのはよくない。車いすに乗らなくちゃ」

こんな声をよく耳にします。
もちろん、家の廊下幅などに合わせて車いすを選定するという観点は重要です。

しかし、一口に車いすといっても、自走用、介助用、リクライニング式、モジュール式など、タイプはいろいろあります。その中でも、もっとも普及しているのは標準型のタイプ。これは、背もたれと座面部分に一枚布が張られているので、座位の安定性はよくありません。

アビリティーズ ライフサポートステーション小田原で、福祉用具のモニタリング評価・アドバイスをしている池田直子さんは「褥瘡もなく、移乗方法が適合した状態で、短時間・短距離の"移動"として使うのであれば問題はありませんが、"離床"を目的の中に組み込むのであれば、しっかりと『安心して座っていられる』ことを考えた車いすとクッションを選ぶことが必要」と説明します。

つまり、選定のポイントは使用目的を明確にしてマッチングにつないでいくこと。
屋内のみの使用か、移動手段として使うのか、離床して身体機能の維持や変形防止、姿勢保持などを基盤とするのか。さらに、車いすを使うことにより、「生活範囲を広げることができるか」という視点を持つことも、大切な要素のひとつと考えられます。

合わない車いすで二次障害

体に合っていない状態の車いすに長時間座りつづけていると、さまざまな二次障害が発生することがあります。

例えば、「すべり座り」とよばれる座り方。
この座り方は、一見楽なように見えますが、体は無意識にバランスを保とうとして力が入るため、常に全身の筋肉は緊張状態に。反対に、筋肉では支えられずになだれ崩れたままの姿勢で座っている場合などは、このまま放置しておくと、拘縮や骨盤後傾、円背などの変形や、褥瘡を引きおこす危険性が出てきます。すべり座りの要因としては、身体状況と身体寸法と車いす・クッションの組み合わせなどの不適合が挙げられます。

1.座面の奥行き
2.座幅の広さ
3.フットプレートの高さ
4.フットレストの角度
5.バックシートの形状
6.肘掛の位置
7.クッションの特性

「座面の奥行きは、深く座った状態で座面の前端から膝裏2cmくらいの隙間が理想です。肘掛の位置が低すぎると、お尻を前にずらさなくては肘をかけられなくなります。クッションが合っていない方も多くみられるんですよ」

二次障害を防止するために、クッションを使用しているケースはよくみられます。
骨と皮膚の間に脂肪や筋肉がない方はもちろん、骨盤に傾きがみられる方、拘縮や褥瘡がある方などの場合、クッションを利用することは有効です。しかし、現在市販されているクッションは、厚みだけをみても2cm〜10cm前後まであり、タイプは多種多様。安易にクッションを選ぶことが逆効果になることもあるので注意が必要です。

「クッションは特性によって適合範囲も変わるので、車いすと同様、マッチングの必要な福祉用具といえます。まず、クッションを身体状況に適合させてから、車いすを選定・調整するくらいの意識が必要だと思います」

座の奥行きが膝裏までの寸法より長いので良い姿勢をとろうとしても膝が曲がらず、手でえて姿勢をなんとか保持している状態。

少しずつ疲れてくるので膝を曲げて力を抜きたい状態。

座面の端に膝裏を合わせると、お尻の後ろには隙間ができました。
この時点ですでに骨盤が後傾してしまっています。

背中は円背になり、安定感のない足を引いて座りたくなる状態身。
体機能的に座りなおすことができない場合や周りが気付かないなどの要因があると姿勢はどんどん崩れていくことに……

完全にずっこけてしましました。
円背や骨盤などの変形、褥瘡発生のリスクが増えます。

ここにタイヤを付けてみると…
この状態、よく見かけませんか?

点と点をつないで線へ

クッションの厚みや形状を変えることは、生活の幅を広げることにも大きく関係するそうです。
一例として、片麻痺の方で標準型車いすのため座面の高さを変えらないケースの場合、座面高が高すぎると、踵が床につかないため、足でうまくこぐことができません。反対に低すぎれば、足を十分に引き込めないので、立ち上がる動作に支障が生じてしまいます。
クッション1つを改善するだけで、QOLの向上にもつながるのです。

クッションと車いすを変えたことで、住宅改修の見直しが必要になる場合も。
「既存の手すりの高さに数cmの差が生じてくることがあります。導入前の情報交換や連携がキーポイントになるかと思います」

『できること』を引き出してサポートしていけるよう、車いす−クッション−移乗方法−住宅環境とご本人との相乗的なマッチングとつないでいく視点は、FJCとして大切な技術のひとつといえるでしょう。
「マッチングの技術は、惜しみない努力と思いやりがあってはじめて『自立支援』のためのツールに成りえるのではないでしょうか」と、池田さんは語っていました。

協力:アビリティーズ・ケアネット株式会社
資料提供:ふくしチャンネル

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