福祉住環境コーディネーター協会とは、東京商工会議所、NPO法人「生活・福祉環境づくり21」などの関連団体の支援により、
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格者が、真に役立つ人材として認知され、活躍できる状況を目指し、
相互連携、個々のスキルアップ、情報の収集・発信等を行うため、平成14年5月に設立された団体です。
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福祉住環境
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 −特集− 空間づくりで介護予防
 福祉住環境に関するお役立ち情報コーナーです。

2月8日、「介護予防」の強化などを柱とする『介護保険改正法案(見直し案)』が国会に提出されました。
現在、自治体によって、筋力トレーニングなどのリハビリテーションが行われているところですが、空間づくりから「介護予防」にアプローチできることはないのでしょうか?
神奈川・横浜のみなとみらいにあるデイサービスセンターの取り組みから考えます。

  ※写真はクリックすると大きいサイズで見れます。
意欲を引き出す環境とは
「わぁっ、旅館みたいだね」「いや、蕎麦屋だよ」。施設に入る前から高揚感を演出。

数々の商業施設が立ち並ぶ「みなとみらい21」。
その中心部の「横浜ワールドポーターズ」6階に(株)ナムコが運営するデイサービスセンター『かいかや』があります。

和風の建具を開けて廊下を進むと、目の前に広がるのは舞踏会を開きたくなるようなデイルーム。

「デイサービスセンター自体が『出かけたくなるところ』『ワクワクするところ』でなければ」と語るのは、エルダー事業部グループグループリーダーの河村さん。

同社は、約10年ほど前からゲームをリハビリに応用できないかと考え、楽しみながら機能回復効果の得られる「リハビリテインメントマシン」を開発しました。
『かいかや』内にも、音楽に合わせて太鼓をタイミングよく叩く「太鼓の達人RT〜日本の心〜」、次々に出現するワニをハンマーで叩く「ワニワニパニックRT」が設置されています。

みなとみらいの景色が一望できるラウンジ。銀幕のスターを思い出し、会話が弾みます。 開港間もない横浜の木造洋館風に演出された食堂・デイルーム。 レクリエーションなどの活動もここで行います。

『かいかや』のキーワードは「自身が主役」「ユーモア」「本物感」の3つ。
そのなかで特にこだわったのは、大正ロマンをテーマにした空間です。
ホテルのロビーにいるような洋風のラウンジ。木造洋館風に演出された食堂・デイルーム。離れの茶室に見立てた和室。
文化の違う3つの様式を取り入れた和洋折衷の空間で、懐かしい青春時代を思い起こすようなシーンを設定しています。

「みなさんオシャレしていらっしゃるんですよ。96歳の男性は『ここは鹿鳴館だ』と仰って、2度目に来られたときにモーニングを着てらしたんです。次の時はスタッフに着てほしいからと、矢絣の着物と袴を買ってこられて。これは施設の雰囲気、ツールの力だと思いますね」

日活の映画ポスターや、石原裕次郎らが撮影中に使用した小道具なども展示。施設自体が、回想法としての役割も担っているといえます。

介護予防には“楽しみ”が必要
炉も切ってあるので、利用者の希望により本格的なお茶会も開けます。

『かいかや』には手すりがほとんどありません。廊下のアプローチと浴室までのスロープ、和室への上がりがまちなどの要所に設置されているだけ。代わりに重厚感のある家具が手すりの役割を担っています。
また、木材や竹など自然の素材を随所に使用し、利用者が落ち着ける場をつくり出しています。

食事にも『かいかや』ならではのこだわりが込められています。少量多品種の2つのメニューから食べたいものを自ら選択。盛り付けと給仕にも工夫がなされ、さながら高級レストランのような雰囲気を演出しています。「家ではスプーンやフォークで食事されている方が、ここではお箸を使うようになった」そうです。

活動メニューもキーワードにこだわって考えられています。
例えば、デザート作りのレクリエーションでは“冬の雪”をテーマに、アイスの雪だるまや雪ウサギなど、本格的な手作りをめざします。

「“自ら楽しむこと”が心身の活性化につながるんです。これをナムコでは“スピリチュアル・ヘルス(魂の健康)”と呼んでいます。
利用者さんにどう楽しんでいただくか――私たちはハードとソフトのきっかけを提供しているだけなんです」

心地よく過ごすことのできる環境は意欲を引き出し、結果として介護予防につながる――。
これからの福祉住環境を考えるうえで、欠かせないポイントとなるのではないでしょうか。

資料提供:ふくしチャンネル

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