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浜田さんが「むつき庵のとっておき」というのは玄関の上がりがまち。当初、車椅子の来館者には、20cmある上がりがまちを電動昇降機や可搬式スロープで上がってもらおうと考えていたそうですが、「昇降機は高価だし、もっとユニバーサルなものがいいな」と思い、ビルトインスロープを採用。
必要な時に必要な人だけが使えて、誰にも負担をかけることがないようにと、一般家庭に不可欠な配慮を考えたつくりになっています。
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これほどまで、浜田さんが「暮らし」にこだわるのには理由があります。
浜田さんの母親は糖尿病が悪化して入院した際、医師の薦めでおむつをするようになってから1ヶ月ほどで亡くなってしまいました。「おむつを嫌がっていたのに・・・これでよかったのだろうか」との想いがきっかけで、排泄ケアや用具に携わるようになったそうです。
「これからの高齢社会に大切なことは手厚い介護ではなく、その人らしい暮らしをしっかりと考えることが大切なんです」。
その確信は、むつき庵の最大の特徴といえる約250種類のおむつの展示にも表れています。
「おむつを買って家で使ってみたら合わなかった」、「このおむつは症状に合っているのだろうか」などの声が多く寄せられ、やはりいろいろなおむつを手にとって見られて、かつサンプルで試せることが大切なんだ、と実感したと浜田さんはいいます。
しかし、市販されているおむつの8割にあたる量を普通の家に展示するため、どうすれば圧迫感がなく、また見やすくできるか悩んだそうです。改修を依頼した建築家と相談し、斜めにスライドできる棚を壁に設置することで解決しました。
これらの改修に際し、浜田さんが特に要望した点は「家の雰囲気を壊さず、多くの人の参考になるようにすること」でした。単なる展示場では、トイレのドアやベッド、ポータブルトイレなどの大きさや使い勝手がわかりにくいと考え、身近に感じられる民家を「あえて選んだ」のです。
その想いが来館者に通じ、「トイレとお風呂、和室の工夫がとても参考になる」、「本当の家だからわかりやすい」と好評。
「あまりの居心地の良さに、宿泊したいという申し出もあるんですよ」と、語る浜田さんの笑顔にむつき庵に対する手応えと自信が感じられました。
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