高齢者や障害者の日常生活と介護を支援するための『第30回国際福祉機器展 H.C.R.2003』が、10月15日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催されました。 今年は14カ国から630社(日本企業569社、海外企業62社)が出展。世界の最新福祉機器約25,000点が展示された50,000uの広大な場内は、昨年より890人多い13万8000人を超える来場者の熱気に包まれていました。 場内で注目を集めていた住環境整備関連の新製品情報を特集します。
「ボードを乗り移りたい方向へ斜めに傾けること、臀部半分はしっかりとボードに乗せること、この2点がポイントです」 スライディングボードを活用したデモンストレーション『寝たきりにならない方法』を行った(株)シーホネンスのブースには、多くの来場者が集まり、熱心に見入っていました。 今年4月から新たに介護保険の福祉用具レンタル品目に加えられたスライディングボード。車椅子とベッド間などを座ったまま横滑りするようにして移乗するものです。 導入の際には、周辺機器を整備することが重要です。車いすはアームレストがはね上げ式か、もしくは外せるもの、フットレストも取り外し式のもの。ベッドはハイアンドロー機能のついたギャッチベッドが必要とされています。 福祉用具の組み合わせ方次第で、据置型リフトよりも容易に住環境改善ができるため、今後さらに普及する福祉用具と考えられるでしょう。
福祉住環境整備をするうえで最も多い改修の一つは、「手すりの取り付け」といえます。浴室やトイレ、玄関アプローチなど、あらゆる場面の手すりを実際に施工・展示していた(株)矢崎化工では、今までにない手すり部材をみつけました。 それは45度の角度で360度回転し、自由自在に方向を変えて取り付けることのできるエンドベース。 「こういうものがあったらいいのに・・・という声からできた部材です」と、担当者が胸をはるように、決められた箇所に決められた部材を設置するという従来の枠を超えた『手すりのバリアフリー』化を感じられました。
広い場内を歩き回っていてパッと目に入ってきたのは、明るい色のプラスチック製品と『ユニバーサルバー』という文字。増田樹脂化学工業鰍ヘ、上下スライドしかできなかったシャワーハンガーに「まわる(180度)」「旋回する(150度)」という機能をプラスした新製品を展示していました。 このシャワーハンガーは、洗体動作の多くをカバーすることができ、また、一人ひとりの使いやすい位置に合わせることが可能です。製品名どおり、家族全員に使いやすいユニバーサルデザインといえます。
「ある意味、新しい畳ですよ」。 高齢者は畳のある生活を好む傾向があります。しかし、一般的に和室は洋室よりも10〜40mm程度高く段差解消の必要性が生じるため、畳は洋室の一角にスペースとして敷かれることが多いようです。したがって、床仕上げはフローリングやコルク材となるのが現状。失禁など汚れた場合を考慮して、抗菌や防汚加工された床材も多数あります。 ところが、スポンジメーカーの(株)タイセイは「確かに"洗える畳"という製品もありますけど、ダニが発生する可能性が大きいことは否めないんです」と指摘。 タイセイが開発した畳はスポンジ製なので、洗っても、水拭きしてもダニの心配はまったくないそうです。また、弾力性があるので、万が一転倒した際にも衝撃を和らげる効果もあります。床材の選択肢の1つに加えられてもいいかもしれません。
以前に比べ、福祉住環境コーディネーターの知名度が上がるにつれて、住環境整備に関する製品を出展する企業が増えてきたように感じられます。 来年の開催予定は10月13〜15日。より質の高い住環境の構築をめざして、続々と出展される新製品を実際に見に、試しに、学びに足を運んでみてはいかがでしょうか。