福祉住環境コーディネーター協会とは、東京商工会議所、NPO法人「生活・福祉環境づくり21」などの関連団体の支援により、
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格者が、真に役立つ人材として認知され、活躍できる状況を目指し、
相互連携、個々のスキルアップ、情報の収集・発信等を行うため、平成14年5月に設立された団体です。
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福祉住環境
コーディネーター協会
〒100-0005
東京都千代田区
丸の内3-2-2
東京商工会議所ビル3F
[ 案内図 ]
TEL:03-3283-7480
FAX:03-3283-7488
MAIL:info@fjc21.org
 −特集− NPO法人 地域住環境改善センター
 全国の活動グループ等の活動事例を紹介します。

今回は神奈川県の特定非営利活動法人 地域住環境改善センターで福祉住環境コーディネーターの資格を活かしながら活動している池田直子さんにお話をお伺いしました。

団体プロフィール

障害者・高齢者の方達や身体が不自由になった方達の生活に関わるさまざまな専門家があつまってできた団体です。
活動地域は神奈川地区・多摩地区・埼玉地区で、障害者・高齢者及びその家族に関して、住まいづくり・まちづくりの支援活動を行い、安心して暮らせる環境をつくることにより、地域の活性化に寄与することを目的としています。

 
主な活動内容

・住まいづくりの訪問相談、住宅改修プランニング、計画図作成及び施工・管理
・福祉制度にふまえた住宅改修や福祉用具に伴う申請支援
・資格取得支援教室(福祉住環境コーディネーター2級)及びセミナー等の開催
・年6回のフォローアップ勉強会の開催

 

住宅改修事例 「体に合わせた福祉用具からの出発」

 
−実際に担当されたAさんの事例をもとにお話していただきました−

まず、Aさんには頚椎損傷のため四肢に麻痺が残り、強い拘縮もあるために体幹バランスが保てないため、安全に座れるように座位保持機能のある車いすとクッションが必要でした。Aさんは介護保険受給権者なのですが、一般的な介護保険のレンタル対象の車いすでは、もちろん対応できません。又、すでに購入された福祉車両とのシート高のマッチングの問題もあ り、選定の条件は厳しいかなと思いました。

障害福祉で申請しても介護保険受給者の場合の助成はほとんど下りないのですが、やれるところまでやってみようと座位保持・褥瘡対応(シーティングとよばれる技術)を備えたクッションと体に合わせられる車いすの申請をすることにしました。

※写真はクリックすると大きいサイズで見れます。
<シーティング前>
黄線→ゆがみが見られる
赤線→前後左右のゆがみが見られ ない

 一般的にレンタルされている普通型車いすに褥瘡予防クッションを使用していますが背骨や骨盤、大腿や膝の位置などからも前後・左右のゆがみやズレが見られます。変形や拘縮、誤嚥などの二次障害の起因になってしまうので福祉用具の選定は重要な出発点になると思います。
<シーティング後>
(アクセスインターナショナルのブリージー600とJ2クッションを使用)

 背もたれや足台の角度や長さを骨盤の傾きや体の症状に合わせて調整できる車いすやクッションは、変形や褥瘡等の二次障害を防止し、介助者の腰痛を起こさないような移乗方法ができるので介助軽減につなぐことができます。
 福祉用具は生活の質を良くも悪くも大きく変えることを念頭に日々選定しています。

Aさんの主治医は福祉用具の大切さに理解を示し、異例ですが意見書を書き直してくれました。さらに、家族やケアマネさん、車いすメーカーや行政の方も協力してくださり平塚市では初めて提案書を添付して「介護保険受給者の座位保持装置」の申請をしてみました。その結果、これもまた平塚市で初めて申請が通り、市の「前例」をつくることができました。次の障害高齢者の方の申請が通りやすくなることも考えられますから、二次的な効果が期待できるでしょう。

玄関・改修前   玄関・改修後
車いすの取り回しが十分にできるスペースの玄関。
自走の方の介助と、自走されない方の介助では家族の方が小柄 ではないか等を各所の寸法を決めてゆく要素に取り入れています。

車いすの高さや機能がおおよそ決定し、その寸法をしっかりと把握してから、玄関や床材の変更などの住宅改修に入りました。座位保持装置付きの車いすは、普通型車いすより高さがあるため、住宅改修前の福祉用具導入プランなどには注意が必要なんです。

さらに、レンタルベッド等を当センターでお出ししましたが家族が希望されたベッドリフトが提携先の商品ではなかったため、他の業者さんに私たちからレンタルを依頼したんです。一般的には提携業者のカタログの中から選び、多少の無理があってもあてがってしまうところが多いでしょう?当センターでは利益や指定業者などの枠を越えて、利用者と家族主体のトータル的な支援を心がけていますので、まず訪問してお話を聞きながら身体状況をみせていただいてから適合判断の結果、体に合わせた福祉用具をどの業者さんからでも探せるようにしています。導入時はAさんに合わせた用具の説明と、その用具をどう使うことによって、どんなことができるようになるか等をケアマネさん、ヘルパー事業所さんに集まっていただきデモンストレーションをしました。もちろんご家族が使用方法に合わせた介助方法を福祉従事者にご指示していただけるようになっていただくことも大切なチームアプローチの必要した。

どんなに良い機能をもつ福祉用具も、どんなに知識や技術があったとしてもそこに「思い」がなければ利用者さんの笑顔はいただけないと日々感じています。

現在、初回相談から約1年が経過しています。定期的な訪問と車いすメーカーさ
んとの連携で、細かいメンテナンスも当センターで提供できるようなシステムを作り上げてきました。住宅改修と福祉用具は、相互作用をもたらす切っても切り離せない関係です。今後とも地域福祉全体のスキルアップを目標にしながら、営利企業などの業者や医療・福祉、行政とNPOが協力し合って地域に根ざした継続支援活動の向上に努めたい思いです。なにより利用者さんと最適な福祉用具が出会えるような橋渡しをめざしていきたいと思っています。

住宅改修における活動の流れ

 
−腰椎損傷下肢麻痺のBさんの場合を例に紹介していただきました−
  ※「住宅改造の流れ」は障害手帳をお持ちの方の福祉制度での改造の流れの一例で、介護保険対応の住宅改修は下記とは違う流れになります。
公的機関からの依頼 本人・家族の了解を得る。関連医療機関への報告。
紹介者の方よりケースワーカー、理学療法士、福祉事務所担当者に連絡・承諾を得てもらう。
 
本人・家族に確認 訪問日決定。Aさんに確認後、紹介者の方と訪問日時間調整。
 
福祉制度調査確認 居住地の福祉事務所担当者に連絡し、助成制度を確認。
 
現状調査訪問 チェックリストにより本人・家族の状態と建物現状実測。
 
概略プラン提示 考えられる改造の提示をし、了承を得る。
助成制度を本人・家族に説明する。(改造費用の相談及び自己負担金の有無等)
本人より福祉事務所担当者へ電話にて所得税調査依頼をしてもらう。
 
プランニング 本人の機能レベル調査。(作業療法士・理学療法士の意見を聞きながら)
 
改造図作成 必要不可欠の改造プランと将来を見越した改造プランを作成。
 
関連機関確認 紹介者・ケースワーカー・作業療法士・理学療法士の了解を得る。(改造計画図により本人・家族が使用可能の是非を確認)
 
本人・家族の承認 改造計画図と見積書を提示し本人・家族に説明する。(変更があれば前項に戻る)
・改造計画図により経過説明
・見積書により自己負担額報告
・住宅改造・入浴補助用具・便器支給の助成制度適用
 
福祉事務所申請 申請書作成から提出まで代行する。(工事着工許可の確認)
・申請受け取り本人と施工者の捺印をもらう
・申請書を提出し着工許可(口頭)をもらう
 
工事施工 現場の監督をする。(必要、職人任せは失敗する。疑問・問題あればすぐに報告相談)
 
改造完了 本人・家族により福祉事務所に工事完了の報告をしてもらう。
紹介者、ケースワーカーにも報告する。
 
アフター 改造後7〜10日で訪問し活用状況を確認。
 
住宅改修相談を受けるにあたって

 センターに来るご相談は、ケアマネさんや行政担当者であったり、医療機関のPTさんやCWさん、福祉分野のNPO、また、直接ご本人やご家族の方からなど様々です。

 現場に携わってからは、建築担当のFJCが、ご本人やご家族の方との信頼関係を大切に、身体が不自由になる前や日頃の生活状況、 趣味や若い頃のお仕事など和やかにお話を聞かせていただくなかで、情報提供をしたり、プランの打ち合わせを了解のもとに進めて行きます。
 訪問前後で福祉用具導入の必要性がありそうな時には福祉用具担当の私が加わり、センター内での連携を取り合いながら、求めておられる機能にあった福祉用具の提案と改修のプランニングを進めて行きます。そこで常に気を配っているところは、いかに福祉用具を考慮した適切な住宅改修を、ご本人やご家族の気持ちと一緒に、関係されている各専門分野の方々と進めて行けるかということす。

 もちろん専門知識も必要であるかと思いますが、コーディネーターとして各専門分野の方々と連携する中で、ご本人やご家族の「やりたいこと」を「できること」へとつなぐプランをチームアプローチとして心を込めてコーディネートして行くことが大切な役割だと信じて日々活動しています。
 

  協力:特定非営利活動法人 地域住環境改善センター  

[ センター概要 ]
活動地域  神奈川地区・多摩地区・埼玉地区
活動目的  障害者・高齢者及びその家族に関して、住まいづくり・まちづくりの支援活動を行い、安心して暮らせる環境をつくることにより、地域の活性化に寄与すること。
会員数  117名(団体を含む)
連絡先  神奈川県平塚市桃浜町17-31
TEL.0463-30-5531 / FAX.0463-30-5532

池田さん

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